レポート

2021年4月 主要旅行業者の旅行取扱状況速報(観光庁)

2021/06/18

観光庁が発表した速報値では、2021年4月に国内の大手旅行会社が取り扱った旅行額は前年同月比263.3%増の619億7,476万円(国内の主要旅行業者が扱う外国人向けの金額を除く)。新型コロナウイルス感染症が拡大する前の前々年同月(2019年4月)との比較では、84.4%減となる。

中国武漢市から発生した新型コロナウイルス感染症の拡大で、海外旅行だけでなく、国内旅行部門で前々年同月(新型コロナウイルス感染症の拡大前)と比べ大きく減少した。新型コロナウイルス感染症による影響は、2020年3月から出始めたため、今回の速報値は新型コロナウイルス感染症の影響下での前年同月との比較となる(ウィズコロナでの旅行傾向)。

3度目の緊急事態宣言が2021年4月25日から発動されたこと、また、新型コロナウイルス感染症の拡大に関する報道が報じられたこともあり、旅行に対する意欲が減少したものと考えられる。直近の傾向を見ると、新型コロナウイルス感染症の拡大前に対して、金額ベースでは85%減となっている。

一方で、新型コロナウイルス感染症の影響が拡大した後の期間で比較すると、感染症拡大の初期に見られた自粛から、感染症のリスクをある程度理解した上での旅行需要は高まり、全体としてはボトムを抜けたと考えられるのかもしれない。

(前年同月比:2020年10月:-38.7%、11月:-25.8%、12月:-63.5%、2021年1月:-85.6%、2021年2月:-86.9%、3月:+26.2%

区 分 取扱額

(千円)

前年同月取扱額

(千円)

前々年同月取扱額

(千円)

前年同月比

(%)

前々年同月比

(%)

海外旅行 4,811,853  2,676,267  169,762,007  +79.8% -97.2%
国内旅行 57,162,909  14,381,279  226,723,335  +297.5% -64.8%
合 計 61,974,762  17,057,546  396,485,342  +263.3% -84.4%

 

募集型企画旅行では、2021年4月の1人当たり単価は32,525円と、前年同月の34,263円と比較して5.1%減少しており、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の2019年4月の30,151円(1人あたり単価)と比較すると7.9%上昇している。

前年同月と比較すると、募集型企画旅行の取扱総額は大幅に増加したが、客単価が下がっている。また、前々年同月と比較して取扱総額は大幅に減少している一方で、客単価は上昇している。

(前月客単価 2021年3月:32,029円、2020年3月:29,242円、2019年3月:27,067円)

出所:観光庁ウェブサイト(https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001407967.pdf

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